映画『人と仕事』

私たちの“今”を体感するヒューマンストーリー!! あなたは何を思う?
これは、二人の俳優と、コロナ禍に生きる人々の全く新しいドキュメンタリー

有村架純 志尊 淳

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2人はその先に何を見た―?

有有村架純 × 志尊 淳 × スターサンズが贈る”今“を体感するリアルストーリー!!

INTRODUCTION

有村架純、志尊淳という、名実ともに今最旬の2人が、新型コロナに打ちひしがれた日本の職場で働く、「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる保育士や介護福祉士、農家などの人々や、声なき仕事人達の現状をレポートする。企画は、『新聞記者』(19)、『パンケーキを毒見する』(21)など、話題作を世に送り出しているスターサンズ・河村光庸。監督は『さんかく窓の外側は夜』(21)の森ガキ侑大。2020年、元々このチームで劇映画を制作予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大により、映画制作を断念せざるを得ない状況へ。しかし、世の中に一石を投じ続ける河村エグゼクティブプロデューサーならではのアイデアにより、監督・俳優はそのままに、現在の日本を探るドキュメンタリー映画へシフト。
夜の街で生きる人々や、シングルマザー、社会的養護が必要な子ども達の姿など、撮影する中で次第に見えてくるのは“誰にも頼れない社会”。貧困、分断、孤立や家庭崩壊ー。だがその中でたくましく生きる人々の言葉は、観るものの心に深く刻みつけられる。これは、まさに私たちが生きる“今”を映し出したヒューマンストーリー !

STORY

2人の“俳優”が、役ではなく、そのままの“自分”としてスクリーンに登場。有村架純と志尊淳が、保育士や農家などといった職業に就く人々を訪ね、体験し、演技ではない、ありのままの言葉や表情で、職場が直面する数々の問題に触れ、現代社会の陰影を浮き彫りにする。そして、「リモートでは出来ない、そこにいなければできない仕事」の価値を再認識していく有村と志尊は、そんな「エッセンシャルワーカー」達の姿を、次第に自分自身の仕事-俳優業-と重ねていく。
様々な人と仕事への眼差しがもたらす2人の変化。「人にとって、仕事とは?」果たして2人が見つけた答えとは一

※2020年9月撮影

CAST & STAFF

有村架純(ありむら かすみ)

1993年生まれ、兵庫県出身。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)で人気を博し、『映画 ビリギャル』(15)で、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞をW受賞。また、同作と『ストロボ・エッジ』(15)では、第58回ブルーリボン賞主演女優賞に輝く。以降、第29回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞を受賞した『何者』『夏美のホタル』(16)をはじめ、『3月のライオン 前編/後編』『ナラタージュ』(17)、『コーヒーが冷めないうちに』『かぞくいろーRAILWAYS わたしたちの出発ー』(18)、『フォルトゥナの瞳』(19)、『花束みたいな恋をした』『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』『映画 太陽の子』(21)など。9月に舞台「友達」が控えている。

志尊 淳(しそん じゅん)

1995年生まれ、東京都出身。2011年に俳優デビューを果たし、2014年「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集める。主な映画出演作に『帝一の國』(17)、『フォルトゥナの瞳』『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』(19)、『さんかく窓の外側は夜』『キネマの神様』(21)など。その他、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(18)、「潤一」(19)、「極主夫道」(20)などテレビドラマに多数出演し、現在、NHK大河ドラマ「青天を衝け」に出演中。第43回エランドール賞新人賞・テレビガイド賞ほか、NHKドラマ10「女子的生活」(18)における演技により、第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞主演男優賞、第73回文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門放送個人賞を受賞している。

企画/製作/エグゼクティブプロデューサー:
河村光庸(かわむら みつのぶ)

1949年生まれ、福井県出身。2000年、株式会社アーティストハウスを設立し会長に就任。『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)、『オペラ座の怪人』(05)などの日本配給に関わる。2008年に株式会社スターサンズを設立すると、『息もできない』(10)、『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(16)などを買い付け、配給。2012年には製作・配給した『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)が同年の映画賞を席巻した。その後も精力的に映画製作を続け、『あゝ、荒野』(17)は日本アカデミー賞(最優秀主演男優賞)受賞のほか、各賞を総なめにした。その後も『愛しのアイリーン』(18)、『新聞記者』『宮本から君へ』(19)、『MOTHER マザー』(20)、『ヤクザと家族 The Family』『パンケーキを毒見する』(21)と話題作を立て続けに製作、『空白』(21)の公開が控えている。『新聞記者』は日本アカデミー賞で作品賞を筆頭に6部門で優秀賞を獲得。また同作のプロデュースで2019年度新藤兼人賞プロデューサー賞を受賞した。

監督:森ガキ侑大(もりがき ゆきひろ)

1983年生まれ、広島県出身。2004年、広島工業大学在学中にドキュメンタリー映画制作を始める。2006年福岡のCMプロダクションに入社し、2013年「THE DIRECTORS GUILD」に参加、2017年に脚本家・山﨑佐保子とクリエイター集団《クジラ》を設立。グラブル、資生堂、ソフトバンク、日清カップヌードル、dマガジン、DAIHATSU、JRA、エネゴリ君などのCMを手掛け、CANNES LIONS ACCシルバーなど多数受賞。「新しい学校のリーダーズ」のMVの制作なども担当。初の長編映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17)で第39回ヨコハマ映画祭 森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞したほか、海外映画祭でも高い評価を得る。その他『さんかく窓の外側は夜』(21)や、テレビドラマでは「坂の途中の家」(19/WOWOW)、「時効警察はじめました」(19/EX)なども手がけている。

音楽:岩代太郎(いわしろ たろう)

1965年生まれ。東京都出身。東京藝術大学大学院を首席で修了後、テレビ、映画、アニメ、ゲーム、舞台など幅広いジャンルで活躍する。『血と骨』(04/監督:崔洋一)、『蟬しぐれ』(05/監督:黒土三男)、『春の雪』(05/監督:行定勲)、『利休にたずねよ』(13/監督:田中光敏)、『Fukushima 50』(20/監督:若松節朗)で、日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。ジョン・ウー監督『レッドクリフ』シリーズ(08/09)、『The Crossing』シリーズ(14/15)、『Manhunt』(18)、ボン・ジュノ監督『殺人の追憶』(04)も手掛ける。近年では藤井道人監督『新聞記者』(19)、『ヤクザと家族 The Family』(21)、『MOTHERマザー』(20/監督:大森立嗣)、山田洋次監督『キネマの神様』(21)など。

PRODUCTION NOTE

近年の日本映画史において、他に類を見ない経緯で生まれた『人と仕事』。
本作の制作過程や舞台裏を、森ガキ侑大監督が解説する。

森ガキ侑大監督、有村架純、志尊淳。3人は元々、2020年の春に保育士・てぃ先生をモデルにした劇映画『保育士T』を制作する予定だった。ところが、4月7日に第1回目の緊急事態宣言が発出されたことで保育園の撮影協力が得られず、撮影1ヶ月前にして企画がとん挫。その約2週間後、「河村光庸エグゼクティブプロデューサーから急に電話が来た」(森ガキ監督)のだという。


「ギャラの件かなと思ったら、『ドキュメンタリーにした方が面白くないか』といきなり言われました(笑)。そこですぐ河村さんと打ち合わせをしたのですが、僕が『ドキュメンタリーをやったことがないから不安です』と伝えたら『やったことがないから面白いんだよ』と半ば強引に説得され(笑)、確かにこういう機会じゃないとやらないなと感じて決断しましたね。そこで、ドキュメンタリーを経験しているスタッフに声をかけて、動き出しました」。


とはいえ、森ガキ監督は2004年、広島工業大学在学中にドキュメンタリー映像を制作し、NHK広島放送局が主宰するドキュメンタリー祭で森達也監督(『A』(97)、『FAKE』(16)、『i-新聞記者ドキュメント-』(19)ほか)から激賞されている。原点回帰的なところもあったのでは? 


「確かに評価いただきましたが、現実を見てしまうぶん、制作中はとにかくつらかった。当時は、『映像業界を辞めたい』と思うくらい病んでいました。その経験があって『嘘でもいいから人を幸せにするものが作りたい』と思い、CMや劇映画の道に進んだんです。河村さんから声を掛けられなければ、ずっとドキュメンタリーからは逃げ続けていたでしょうね」。

ドキュメンタリーへの帰還は森ガキ監督本人にとっては禁忌だったわけだが、撮り終えたいまは「めちゃくちゃ発見がありましたね。今後も映像を作っていくうえで、大きなターニングポイントになった」と大きな手ごたえをつかんだそう。その立役者となる河村エグゼクティブプロデューサーに対し、「河村さんは突破力が凄すぎる。こんなプロデューサーは他にいません」と畏敬の念を隠さない。


「『有村架純さんと志尊淳くんで、いまの世の中を斬るドキュメンタリーを作る』なんて企画を思いついて、実現させてしまう。『完成形が見えていない』と僕が不安がっても『見えてなくていい、段取ってしまってはダメだ。能動的にやりなさい』と押し通す(笑)。企画力が突き抜けているから、人と違う作品を生み出せるんでしょうね」。


その心意気に、有村架純と志尊淳も呼応。「志尊くんは『河村さんがそう言っているなら、やらないわけはない』と即答でした。有村さんは当初『着地点が見えない』と悩んでいたのですが、ステイホーム期間で心境が変わったらしく『会って話をしたい』と連絡をくれました。そこで河村さんと僕で有村さんを訪ね、企画説明を行ったのですが、その最中に有村さんが涙したんです。『いまの世の中に対して、不安だしどうしたらいいのかわからない』と吐露してくれて、その姿を見た河村さんが『だからこそ、作りましょう』と説得してくれました」。

『人と仕事』は、前半は森ガキ監督・有村・志尊が異業種の人々に取材し、後半で各々の存在意義について考える、という構成になっている。ただ、当初は「構成も取材対象も決まっていませんでした」とのこと。「計算してインタビューしていたわけではないので、途中でノイローゼになるくらい苦しかったですね。何度も迷子になりかけました」。


ただ、ゴールが見えない作品づくりのなか「有村さんと志尊くんは何を感じたのか?」に強い興味を抱いたという。「それがゴールだと気づいてからは、とても楽になりましたね。入り口はエッセンシャルワーカー(医療・福祉や保育等に携わる生活必須職従事者)でしたが、どんどん『仕事』という僕たちが逃れられない部分、いわば生きていくうえでの本質に焦点を当てていきました。それを、役者という『仕事』を行う有村さんと志尊くんを通して伝え、『生きていくこと』を考えていく構成に、撮りながら変化していきました」。


撮影期間は、最終的には約1年まで膨張。2020年の4月から、2021年の4月までと現在進行形のコロナ禍の“いま”を切り取った内容になった。「当初は半年くらいの予定でしたが、取材対象を探してアポイントメントを取って、スケジュールを調整して撮影して……を同時並行で進めていたため、どんどん膨らんでいきました。しかもコロナの状況も日々変わっていきますし、その影響も受けつつだったので大変でしたね。ただ、1年になったことで様々な“事件”を収めることができたと感じています」。

『人と仕事』には、保育士、バスケ選手、介護施設職員、ホストクラブ経営者、風俗嬢、児童相談所職員、農家等、多種多様な「仕事」に従事する人々が登場する。同時に、シングルマザーやシェアハウス生活を行う若者たち、看護学生、児童養護施設の子どもたち、ホームレスといった市井の人々の“生の声”も掬い取った。


ただ、先に述べた通り事前に決め込んで動いたわけではなく、全ては“出たとこ勝負”。クルーも4人ほどから森ガキ監督1人のときもあり、最少人数で動いた。「取材対象は自分たちで探したり、河村さんのルートを使わせてもらったり、Twitterで募集もしましたね。誰が誰に取材するかは、有村さん・志尊くん・僕で話し合って決めていきました。取材NGの人も結構いましたし、お会いしてから先方の態度が硬化してしまった事例もありました。自給自足生活を行うコミュニティの方々など、取材させていただいたけれど残念ながら今回の作品には入れられなかった方々もいます。普段の映像制作とは全く違う筋肉を使いましたね」。


本作は、2020年9月某日の午前2時、渋谷の街を志尊が歩きながら、ゲリラ的に街頭インタビューを行う光景から始まる。本作を象徴する鮮烈なシーンだが、この部分の撮影も全くのノープランで臨んだ。「収穫があるかないかもわからないし、トップカットに持っていくつもりもありませんでした。とりあえず撮ろう!と街に繰り出し、本当にたまたま看護学生の方に会えたんです。編集中に、エディターの鈴尾啓太さん(『FAKE』『i-新聞記者ドキュメント-』)から『志尊淳くんが渋谷を徘徊している様子から始めたら、インパクトがあって面白い』と連絡が来て、あの構成になりました」。


ちなみに、鈴尾とは作品全体のテンポ感も細かく話し合ったそう。「なるべくコンパクトにまとめて、そのぶん登場する人を増やす。そうしたほうが、世の中を広く見た内容にできると感じ、調整を繰り返しました」。

取材時において核となったのは、『人と仕事』のタイトルにも通じる「その仕事を行う人がコロナでどう生活が変わったのか、或いは変わらなかったのか」。その部分をテーマに掲げ、「どうやってお金を稼いで生活を成立させ、どう『生きている』のか」「コロナ前後で他者や社会との距離感はどう変化したのか」を念頭に置き、取材を行ったという。


劇中には様々な取材対象者たちの“本音”が焼き付けられているが、森ガキ監督が特に印象に残ったのは新宿・歌舞伎町のホストクラブや飲食店を経営する「Smappa! Group」の代表・手塚マキ氏や、風俗嬢の「分断はコロナ前からある」との意見だという。劇中にも「コロナ以前の社会が素晴らしかったとは思っていない」「自分たちがはけ口にされているところはある」との発言が登場するが、森ガキ監督は「『元から分断はされていて、コロナによってそのことに気づかされた』という言葉が、すごく腑に落ちました」と“発見”を語る。


「例えば家族であっても、個々が分断されている中で世の中は動いている。児童相談所にも取材しましたが、2020年の警察からの児童虐待通告は全国で過去最多の10万件を超えたそうです。自らが産んだ子や、夫婦でさえある程度の分断を必要としているんですよね。様々な問題が露見した一方、今回のコロナは、フラットに人生や生き方を見つめ直す機会にもなったと感じています」。

コロナで影響を受けたのは、映画業界に生きるスタッフや俳優も同じ。『人と仕事』は、有村と志尊の心境に変化が訪れるさまも丹念に見つめていく。「あのレベルで活躍している2人だから、自分たちの行動や発言がどのように人に伝わっていくのか考えて行動しようとしているように見えるんです。これは僕もそうですが、『ゴールを目指して準備・努力する』ものづくりを続けてきたからこそ、やったことがないスタイルへの不安を口にしていました。ただ、撮影が後半にいくにしたがって『考えるのをやめよう』と吹っ切れてくれた。そこからは、完全にこちらに委ねてくれました」。


その転機となるのが、後半に用意されている有村と志尊のディスカッション。カメラだけを設置し、森ガキ監督すら立ち会わない2人だけの空間で、有村と志尊は何を話したのか。本編には、その一部が収められている。「周りの空気を読む癖があって、そこに合わせて生きてきた部分がある。(中略)もっとみんなが自由に生きられたらいいのに」(有村)、「言っちゃいけない言葉も多いし、常に天秤にかけられる」(志尊)など、トップランナーが故の苦悶が赤裸々につづられる。撮影当時、別室で待機していた森ガキ監督は、どのような心境だったのか。


「演出はゼロですし音声で聴いてもいないから、有村さんと志尊くんに委ねるしかない。待っている間は『2人が警戒して、上辺だけの話に終始したらどうしよう』なんて悶々としていました。でも、残念ながら利用しようとしたり裏切ろうとする人たちがはびこる世界で生きてきたでしょうし、苦労して築いた立場を守るため、ガードが固くなるのは当然のことだとも思うんです。そんななか、録画したものを観て『ギリギリのところまでは話してくれた』と感じました」。


有村と志尊がものづくりを信じ、リスクを冒した格好だが、森ガキ監督もそれを肌で感じている。


「志尊くんとは『さんかく窓の外側は夜』(21)など、これまでも一緒に仕事をしてきましたが、ああいった悩みを聞いたのは初めてでした。有村さんも含めて弱みを見せないようにしているけど、彼らも人間。このドキュメンタリーを通して、2人の“本質”に少し触れられた気がします」。

『人と仕事』というタイトルは、河村エグゼクティブプロデューサーが発案。元々は『人間と仕事』だったが、スタッフ陣で話し合い、現在の形に落ち着いた。「河村さんは基本的に『ハコは作ったから、この中で暴れなさい』と任せてくれるタイプ。でも、迷ったときに相談して、違うと思ったらはっきりそう言ってくれます。企画を作ったあとは任せてくれて、細かいところは言わないから、すごいプロデューサーだなと思います」。


本作の劇中を彩る音楽は、映画音楽界の第一人者である岩代太郎によるもの。彼をアサインしたのも、河村エグゼクティブプロデューサーだという。「岩代さんとはずっとご一緒したかったので、嬉しかったですね。ただ、撮りながら編集していくという本作の制作スタイルの関係で、編集した映像をお送りして音楽を作ってもらうことができなかったんです。この作品に懸ける熱意だけお伝えしたら、『天の声が聴こえてきたら面白い』というアイデアを出してくれて、テーマ曲『かぞえうた』が出来上がりました。歌は吉田美奈子さんが歌ってくれています」。


当初は「1、2曲を制作する」という話だったが、「編集段階の映像を観たら『もっと作るよ』と言ってくださって、さらに何曲か追加で作曲してくれました。本当に助けられましたね」という嬉しい“誤算”も。「岩代さんの音楽のおかげで、もうワンステップ進化できました。凄く感謝しています」。

青天の霹靂のように降ってきたドキュメンタリー企画が始動し、約1年半。森ガキ監督は、自身の現在地をこう語る。


「今回ドキュメンタリーをやって、世の中との接点がようやく見つけられた気がしています。『人と仕事』を通じて、世の中の人が本気でどう思っているのか、社会が何を訴えたいのかをキャッチする耳や心が、やっと整ってきた。今までは映画業界だけを見ていたところがあるなと気づかされましたし、今回得られた経験は今後の作品に生かしていけると感じています」。


同時に、“映画の力”も改めて痛感したのだとか。「それこそ『不要不急』と言われましたが、有村さんや志尊さんの作品を観ることが、衣食住より上位にあるファンの方だっていらっしゃいますよね。映画が“現代の心の安らぎ”になっていることは、こういう時代になってより強く感じます」。


そうした想いは、本作のラストシーンにも重なる。児童養護施設を卒業し、社会人として踏み出していく青年と、撮影期間中に発症した急性心筋炎から復帰した志尊、新たなテレビドラマに挑む有村の姿が、オーバーラップするように描かれていく。


「児童養護施設の子どもたちの目に宿る“覚悟”は、同世代の子たちとまるで違っていましたね。『ここを出たら、ひとりで生きていかなければならない』とちゃんと教えられ、受け入れている感じがしたんです。『ここから、小さな仕事人が生まれる』ということを届けたい、という想いでラストシーンに配置しました。志尊くんは、入院時に『明日、俳優に戻れるか分からない』とボロボロ涙をこぼしながら、懸命にリハビリに取り組んでいた。その結果『芝居がしたい。あの仕事がしたい』という言葉が出てきました。有村さんは『芝居をさせてもらっている以上、これからも色々な職業の人物に出会うと思う。違う職業だけど、私は身近に感じる』と言ってくれた。それぞれの『人と仕事』を、映し出せました」。